〜お掃除機能があるのに臭う、その“カビ温床構造”を徹底解説〜
「自動お掃除機能が付いているから、エアコン内部まで清潔のはず」と思っている方は多いですが、実はカビの繁殖リスクは高く残ります。いくらフィルターを自動で掃除しても、目に見えないところでカビは進行し続けるのです。
■ お掃除機能で掃除されるのは“表面のフィルターだけ”
- 多くの機種ではエアコンの表面にあるフィルターを掻き取りますが、熱交換器や送風ファン、ドレンパンの内部は触れません。
- カビが繁殖しやすいのは主に湿気が残りやすい内部部材。そこを掃除できなければ、目に見えない汚れが溜まり続けます。
■ カビの好む環境が内部に残りやすいワケ
湿気が止まりやすい構造
冷房運転により熱交換器に結露が発生しますが、内部構造上、送風ファンやドレンパン近くに湿気が残りやすく、乾燥しづらい状態が続きます。
ホコリ・油・皮脂汚れの栄養源
空気中の微粒子、調理の油煙、皮脂・ほこりなどが熱交換器などに付着し、完全に乾燥しないと雑菌やカビの栄養源になってしまいます。
温度変化でカビの活動が活発に
冷房 → 暖房に切り替える時期には、内部が温度変化で一時的に温かく湿った状態となり、カビの活動が一気に活性化します。
■ 実際に繁殖する場所とトラブルの原因
部位 | カビ・汚れの特徴 | トラブルの兆候 |
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熱交換器(アルミフィン) | 結露+ホコリで表面や隙間に黒カビ発生 | 冷房時に出るカビ臭、効きの悪さ |
送風ファン | 回転羽根にカビ・粘着汚れが付着 | 異臭、音がうるさくなる |
ドレンパン、配水路 | 汚れや排水残が溜まり、雑菌バイオフィルム形成 | 水漏れ、ドレン詰まり臭の逆流 |
補機・内部パーツ | 保護されにくい隙間や裏側にポツポツとカビ形成 | 内部からの悪臭、清掃後の再発 |
■ 「お掃除つきなのにカビ?」と感じたらすべきこと
- 運転後に送風モードで乾燥運転
冷房後や湿度が高い時期には、送風モードで30分以上回して、内部の結露を飛ばしカビの発生を抑えます。
- 家でできる基本掃除
表面的なフィルター清掃だけでなく、吹き出し口やルーバー部分を柔らかい布で拭いてホコリを取り除きましょう。
- 室内の湿度管理と換気の実施
エアコン内部の湿気を室内換気で逃がし、湿度が高くなりすぎないようにします。
■ 重度の臭い・効きの悪さ・異音にはプロの分解洗浄が必要
- 表面掃除だけでは改善ができない“内部の黒カビ・菌汚れ”をプロ清掃で根本除去。
- 熱交換器やファン、ドレンパンを専用洗浄薬剤+高圧洗浄や防カビコートで処置。
- 冷暖房効率の改善や異音・臭いの解消、室内の空気質改善にも効果的です。
■ なぜ自動お掃除エアコンでも定期プロ清掃が必要?
- 「お掃除してくれているから大丈夫」と思っていても、内部の汚染は進行し続けています。
- 見えない部分だからこそ、定期的に中まで洗浄することが、健康・電気代・快適性の観点でも重要です。
■ まとめ:自動お掃除機能は一部対応。カビの根本対策には分解清掃が不可欠。
- 自動お掃除機能が対応するのはあくまで「表面のフィルター」。
- 熱交換器や送風ファンなどの内部部位に生じるカビは、放置すれば悪臭、効きの低下、健康被害につながります。
- 定期的な送風運転・家メンテ・換気だけでは不十分。年1回を目安に、プロによる分解洗浄と防カビ処理を行うことがベストです。
ご家庭で「お掃除付きだから安心」と思っていても、エアコンの“見えない汚れ”は着実に進行しています。健康性・快適性・省エネを考えるなら、プロの分解洗浄は最良の選択です。